在宅医療多職種連携研修会の目的と対象
地域包括ケア・システムの構築のためには、地域の行政と医師会の連携が重要です。「なごやかモデル」では、地域の医師会と行政に呼びかけ、大学が事務局となって在宅医療多職種連携研修会(プログラムF)を地域で立ち上げたいと思います。
この研修会のテーマは、地域の多職種連携による在宅医療の促進です。研修会を通じて地域における施設間・職種間に連携マインドと信頼関係を醸成することで地域の多職種連携チームづくりに寄与し、受講後の実際の連携に繋がっていくように地域全体の底上げを目指します。研修会への参加を呼びかける対象は、緑区を中心とする地域で、現在もしくは将来、在宅医療に関わる可能性のある医師、歯科医師、歯科衛生士、訪問看護師、薬剤師、介護支援専門員、地域連携病院連携部局スタッフ、リハビリテーション関係職種、栄養士、地域包括支援センター職員等およびその団体、それらの職業を目指している学生です。
研修会の内容
研修会は、原則として1.5日の多職種研修と、医師のみを対象とした在宅実地研修(半日×2回)で構成し、オプションとして多職種同行研修を行います。多職種研修は、在宅医療の役割と専門職連携協働の必要性、地域の医療・介護資源の把握、在宅医療の導入方法、認知症やがん緩和ケア、在宅医療を推進する上での課題とその解決策をテーマに、講義と演習を行い、在宅実地研修では、在宅医療を積極的に行っている医療機関に依頼し、訪問診療同行、訪問看護同行、ケアマネジャー同行、緩和ケア病棟の回診同行などを行います。
研修会の意義
研修会のねらいは、 かかりつけ医の在宅医療参入の動機付けと区を単位とする多職種連携チームづくりです。AIPの基盤づくりには、かかりつけ医の在宅医療への参入が必要で、かつそのためには医師を含む多職種連携の普及が必要です。また多職種連携のためには、市または区の単位で、連携のルールができ、顔の見える関係が形成され、連帯感が生まれるシステムの整備が必要で、そのツールとして多職種連携在宅医療研修会を位置づけます。